中国産米混入「無い」事実が続々と

分析結果は全て「日本産」「コシヒカリ」

 雑誌『週刊ダイヤモンド』が報じた株式会社京山の中国産米混入疑惑を受け、JA京都中央会は京山の依頼に基づき、2月16日から立ち入り調査を進めてきた。府内JA、各連合会の協力のもと、3月31日までに延べ約1500人(うち農協監査士延べ約300人)の役職員を派遣し、調査を行った。京山とJA京都中央会などは、記事の内容は事実無根として発行元のダイヤモンド社などに、名誉毀損に基づく損害賠償と謝罪広告の掲載などを求める民事訴訟を提起したほか、京山は京都地方検察庁に刑事告訴状を提出した。


 これまでの調査で、中国産米の混入がなかったことを裏づける事実が次々と明らかになっている。
 JA京都中央会が一般財団法人日本穀物検定協会に依頼していた米の分析では、提出した3銘柄(「京都丹後こしひかり」「滋賀こしひかり」「魚沼産こしひかり」)は全て「日本産」で「コシヒカリ」と判別された。検体は、京山が消費者からの問い合わせに備えて精米後3か月間保管している「キープサンプル米」と、京山が小売店から買い戻したもの合わせて5点。ダイヤモンド社が購入して検査したものと同じ1月5日に京山で精米されたものを提出した。

 この検査結果から、ダイヤモンド社が記事の根拠とした株式会社同位体研究所の検査については、検体の持ち込まれた状況や検査の実施状況等に問題があった可能性が示唆されるため、京山は同研究所に情報の開示請求を行った。

 また、JA京都中央会は3月31日までに、京山に対して立ち入り調査の結果を報告した。平成26年4月1日から平成29年2月末日までの玄米・精米の全ての品目の仕入と販売について調査を行った結果、中国産米および産地不明の玄米・精米の混入はなかった。

 これらの事実が判明する一方、京山では現在も商品の返品や取引停止が相次ぎ、経営に重大な影響を及ぼしている。JA京都中央会と京山が近畿の5府県の小売店を調査したところ、105もの店舗で京山商品の「一旦撤去」、販売の「自粛」、「一時停止」、「現在中止」などの告知が掲示されていることが判明した。

 今後京山では、一刻も早い消費者からの信頼回復に努めるとともに、ダイヤモンド社等に対し、日々拡大している実損害に対する賠償請求を、弁護士の指導のもと行っていくとしている。

 『週刊ダイヤモンド』の記事掲載以降のJAグループ京都および(株)京山の対応の概要等は次のとおり。

◆2月下旬以降の対応と確認された事実等

◇平成29年2月27日

 弁護士・JA全農・行政などの立会いのもと、ダイヤモンド社が検査した3銘柄の米を厳重に封入し、日本穀物検定協会に「DNA鑑定」(品種判別)および「同位体比分析」(産地判別)を依頼・提出する。提出した米は、京山が消費者からの問い合わせがあった際に備えて精米後3か月保管している「キープサンプル米」3点(「京都丹後こしひかり」・「滋賀こしひかり」・「魚沼産こしひかり」)と、同社が2月7日に小売店から買い戻した「滋賀こしひかり5キロ」、「魚沼産こしひかり5キロ」の2点を合わせた合計5点。
 また、京山がダイヤモンド社に対する告訴状を京都地方検察庁に提出する。

◇平成29年2月28日

 「滋賀こしひかり」および「京都丹後こしひかり」の生産地で、弁護士・市町村行政などの立会いのもと、「DNA鑑定」(品種判別)および「同位体比分析」(産地判別)検査用の玄米サンプルを採取し、日本穀物検定協会に送付する。
 また、平成28年9月から平成29年1月末までの玄米・精米の全ての品目について調査を終え、中国産米および産地不明の玄米・精米の混入がなかったことを確認する。

◇平成29年3月7日

 「魚沼産こしひかり」の生産地で、弁護士・市町村行政などの立会いのもと、「DNA鑑定」(品種判別)および「同位体比分析」(産地判別)検査用の玄米サンプルを採取し、日本穀物検定協会に送付する。
 また、平成28年4月から平成29年2月末までの玄米・精米の全ての品目について調査を終え、中国産米および産地不明の玄米・精米の混入がなかったことを確認する。

◇平成29年3月11日

 日本穀物検定協会の検査の結果、2月27日に提出した5点の米全てが「日本産」の「コシヒカリ」であったことが判明する=表1。
 この結果を受け、ダイヤモンド社が記事の根拠とした検査について、検体が持ち込まれた状況や検査の実施状況等に問題があった可能性があるとして、京山が検査を実施した株式会社同位体研究所に情報の開示を求める。

表1 同位体比分析による原産国判別結果
▲ 表1 同位体比分析による原産国判別結果

◇平成29年3月21日

 平成26年4月から平成29年2月末までの玄米・精米の全ての品目の仕入、および平成27年4月から平成29年2月末までの玄米・精米の全ての品目の販売について調査を終え、中国産米および産地不明の玄米・精米の混入がなかったことを確認するとともに、調査の結果をJA京都中央会から京山へ文書で報告する。
 また、京都府内の小売店を調査した結果、77店舗で京山商品の「一旦撤去」、販売の「自粛」、「一時停止」、「現在中止」等の告知が掲示されていることが判明する。

◇平成29年3月23日

 京都府内に引き続き、大阪府、滋賀県、奈良県、兵庫県の4府県の小売店を調査した結果、新たに28店舗で京山商品の販売の「自粛」、「一時停止」等の告知が掲示されていることが判明する。

JAグループ京都が行った京山への立ち入り調査について

◎概要

 京山では、①玄米で仕入れ、精米・包装後、製品で販売 ②玄米で仕入れ、玄米で販売 ③製品で仕入れ、製品で販売―の3つの販売パターンがある。
 JAグループ京都の調査では、伝票等の各種証憑書類から仕入、在庫、販売および精米・包装工程における玄米・精米の状況を調査した。

◎玄米から製品製造・販売までの流れ(H26.4.1〜H29.2.28)

玄米

精米・包装工程

製品

 
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