GT保護制度の概要

広がるGI登録に向けた取り組み 「万願寺甘とう」が府内第1号

 地理的表示(GT)保護制度の登録に向けた取り組みが全国で広まっている。府内の産品としては今年6月に万願寺甘とうが同制度の登録を受け、さらに登録品目の拡大に向けた機運が高まっている。同制度の概要は次のとおり。

◆GT保護制度の概要

GTマーク
▲ GTマーク

 GI保護制度は、生産者・需要者双方の利益保護を目的に制定された「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」(地理的表示法・平成26年制定)に基づく制度。地域で育まれた伝統と特性を有する農林水産物のうち、品質等の特性が産地と結び付いており、その結び付きを特定できるような名称(地理的表示)が付されているものについて、その地理的表示を知的財産として保護する。
 同制度への登録を受けることで、当該産品に対して「地理的表示」およびGIマークの使用が可能となり、他産品との差別化が図られるほか、不正な表示は行政が取り締まりを行うため地域ブランドの保護につながる。
 また、諸外国においても、GI保護制度は世界貿易機関(WTO)協定の「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」で知的財産権の1つとして位置づけられている。


◎日本におけるGT保護制度の枠組みとその効果

▽ 「地理的表示」を生産地や品質等の基準とともに登録=
基準を満たす生産者だけが「地理的表示」を名称として使用できる
▽ 基準を満たすものに「地理的表示」の使用を認め、GIマークを付す=
品質を守るもののみが市場に流通し、GIマークにより他産品との差別化が図られる
▽ 不正な地理的表示の使用は行政が取り締まり=
訴訟等の負担なく、自らのブランドを守ることができる
▽ 生産者は登録された団体への加入等により地理的表示を使用可能=
地域の共有財産として、地域の生産者全体が使用可能

◎GTの登録について

 生産・加工業者の団体が「地理的表示」を申請書と添付書類により登録申請を行う。生産者・加工業者自身が登録申請することはできず、団体を組織することが必要だが、団体は法令・約款等で加入の自由を定めることが必要となる。
 登録申請後、農林水産省が申請内容をウェブサイトに公示し、3か月間にわたって第三者からの意見書提出を受け付ける。その後、学識経験者等の意見聴取を経て、農林水産大臣による登録可否の判断が行われる。登録申請から登録までは、最短でも6か月程度かかるとされる。
 登録が妥当と判断されたものについては、産品の地理的表示、生産者団体や品質等の基準が登録され、農林水産省ウェブサイトにも公示される。

◎登録後の品質管理

 生産・加工業者の団体は、生産行程管理業務規程に基づき、その構成員である生産・加工業者が明細書(その産品が満たすべき品質の基準)に適合した生産を行うよう、必要な指導・検査等を実施する。
 また、農林水産大臣は生産行程管理業務が適切に行われているかどうかを定期的にチェックする。

◎不正使用への対応

 登録団体の構成員が基準を満たしていない産品に「地理的表示」を付して販売している場合や、登録団体の構成員でない者が「地理的表示」を付して産品を販売するなどの不正使用があった場合、農林水産大臣は不正使用者に対し、不正表示の除去または抹消を命令する。また、輸入された不正表示品の譲渡も禁止されており、従わない場合には罰則が規定されている。

◆JAグループ京都におけるGT登録に向けた取り組み

 JAグループ京都におけるGI登録に向けた取り組みとしては、第27回JA京都府大会決議内に「知的財産権の活用によるブランド力の向上」を位置づけ、GIの取得と有効活用を進め、京都ブランドの強化に取り組むこととしている。
 この取り組みの結果、今年6月には「万願寺甘とう」が京都府内で初めてGI登録を受けた。野菜としての登録は近畿圏内でも初めてとなる。なお、同品目の申請は平成28年5月で、登録までに約1年以上の歳月を要した。
 その他の品目については、京のブランド産品に指定される京野菜を中心に、登録の申請ができたものから順次申請することとしている。今後、JAグループ京都としては、地域のブランドを守るとともにその価値を高め、農業所得の増大につなげるため、GI取得の取り組みをさらに進めていくこととしている。

   地理的表示・団体の登録
 
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