特集 政府・与党へ農家の声を報告

改革に現場の意向を 中川会長が報告書を提出

小泉農林部会長(左)に報告書を手渡す中川会長
▲ 小泉農林部会長(左)に報告書を手渡す中川会長

 JA京都中央会の中川泰宏会長は11月1日・2日、政府・与党関係者に10月に実施した「農家組合員(農業者)の意向を把握する会」の意見をまとめた報告書を提出した。提出先は自民党農林部会の小泉進次郎部会長をはじめ同党の西川公也農林・食料戦略調査会長、飯島勲内閣官房参与などで、中川会長は「農家の現場の声を改革に反映させるべきだ」との考えを伝えた。

 同会はJA京都中央会が京都府内の12会場で10月7日から30日まで実施したもの。全ての会場に中川会長が直接出向き、購買・販売等の経済事業を中心に、作目・地域ごとに集まった参加者から意見や要望を聞き、意向を把握した。これは全国で初めての取り組みとなっている。

 JAグループ京都では、政府・与党が進めるJA改革ではなく、現場実態を踏まえ農業者が求める改革を自ら進めることが最も重要であると考えている。今回提出した報告書は350ページにも及び、「現場の知恵で改革を」と題した前文にはJAグループ京都の思いや各会場で参加者が発言した現場の声も反映されている。
政府・与党に提出した報告書(前文)

 面談で中川会長は「JA組織を通じてしか農業を見ていない事務次官の考えや大規模法人の意見だけを聞いて進める改革は大きな間違いを起こす。平坦地の多い農業国との比較で世界基準の改革を進めるのではなく、現場の実態に即し、日本に合った改革を進めなければならない」と語った。

 これに対し、西川会長は「我々にはできない取り組みを行っていただき、JAグループ京都には感謝している。『農家所得の向上』は共通の目的と考えているが、現場の声なくして改革はありえない。中山間地の農業をてこ入れするなどで農家所得の増大に努めたい」と話した。

 現在、政府・規制改革推進会議による急進的なJA改革の提言等が行われているが、JAグループ京都では引き続き政府・与党の動向を注視し、現場の実態に即した改革が行われるよう、適切な提言・要請等の対応を行っていくこととしている。

 「農家組合員(農業者)の意向を把握する会」各会場で出された主な意見は次のとおり(10月18日以降開催分)。

◇JA京都市管内野菜農家(10月18日開催、JA京都市本店、20人参加)

○各農家が特色ある京野菜を作っており、一律の大規模化・法人化というのは足かせ。個性を潰さない改革を望む。
○京都府へ都市農業振興計画の策定を要請して欲しい。
○有害鳥獣対策の資材に補助金が100%つくよう、JAから行政に要請して欲しい。

◇JA京都中央管内野菜農家(10月21日開催、JA京都中央本店、31人参加)

○京都府で政府の言う大規模化などありえない。小規模農家がどのように継続していくかを考えていくことが必要だ。
○営農指導の充実と生産資材価格を下げることに取り組んで欲しい。
○相続や事業継承の知識は重要。職員に教育し、組合員が満足できるようにして欲しい。
○支店に経済部がなくなり、農作業の質問先や交流の場がなくなったのは残念。

◇JA京都管内米農家(10月23日開催、JA京都丹後広域営農センター、24人参加)

○30年産以降の米の政策がわからず、不安である。米価がこれ以上下がると到底生活が成り立たない。
○JAは農家のための組織。販売価格を高くし、生産資材については安く供給してもらえるよう頑張って欲しい。
○ライスセンターや育苗センターの利用料を下げて欲しい。
○JAで若手農家の斡旋に取り組んで欲しい。

◇花き生産農家(10月24日開催、京都市花き総合流通センター、18人参加)

○花の価格が下がっている中で人件費・生産資材費は上がっており、経営が圧迫されている。JA・全農にはコストが下がるよう頑張って欲しい。
○花は個人での消費量に限界があるため、イベントや行政との連携でもっと花の魅力をPRして欲しい。
○JAにも花の専門技術を持った職員を置いてほしい。

◇青壮年部盟友(10月28日、JA京都酪農センター、19人参加)

○水路や農道の維持など、兼業農家の協力がないと大口農家もやっていけない。兼業農家が継続していける環境づくりをお願いしたい。
○青壮年部でJA等との意見交換や仲間作りが出来ている。絶対に必要な組織だ。
○JAの栽培指針に則って作ったものは規格外品でも全量出荷できるようにして欲しい。
○ホームセンターの資材は信用できない。JAの商品は絶対に品質を維持して欲しい。

◇JA京都やましろ管内野菜農家(10月29日開催、JA京都やましろ八幡市支店、21人参加)

○JA・農業改革は我々の見ている方向とは違う。個人の農家があるから農地が守られていることを国が理解しなければならない。
○新規就農者や面積拡大に対し、JAからの補助をいただきたい。
○販路拡大にも輸送コストがかかる。一定量を取りまとめて輸送コストを下げ、販路を探すなど手助けして欲しい。

◇茶生産農家(10月30日開催、宇治茶会館、25人参加)

○農業を知らない者が我々の意見も聞かず進める改革には納得がいかない。
○肥料・農薬などは安ければよいものではない。安全・安心な農作物を供給することが重要だ。
○本来は行政がすることであるが、残留農薬の分析費用を下げて欲しい。
○茶の農機は高いため、リースや価格の低減に取り組んで欲しい。

 
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