平成29年度農林水産関係予算決まる

土地改良・水田活用などに重点 総額で2兆3071億円

◆平成29年度農林水産関係予算の概要

○農林水産関係予算総額(一般会計)の推移
農林水産関係予算総額(一般会計)の推移
作成:JA京都中央会

 政府は12月22日、平成29年度政府予算案を閣議決定した。農林水産関係予算は総額2兆3071億円(前年度比20億減)で2年ぶりの減額となったが、人件費等の減少が中心で実質的な事業費は微増となる。

 焦点となった土地改良(農業・農村整備)関連事業や水田活用の直接支払交付金は前年度より増額するほか、「酪農経営体生産性向上緊急対策事業」(60億円)、「中山間地域農業ルネッサンス事業」(400億円)などを新設する。また、一般会計の総額は過去最大の97兆4500億円となった。


◆平成29年度税制改正の概要

○平成29年度税制改正大綱の主要な農業関連税制
平成29年度税制改正大綱の主要な農業関連税制

 予算の財源となる税制については、12月8日に与党税制改正大綱を決定した。農業関連では、経営所得安定対策などの交付金を使途計画に基づき積み立てた場合、必要経費として算入できる「農業経営基盤強化準備金」が1年延長されるほか、農業用A重油・軽油や肉用牛売却に関する課税の特例を3年延長することが決まった。また、JAが連合会から受け取る出資配当に対する課税は、非課税となる益金不算入の割合がJAから連合会への出資比率に関わらず一律50パーセントとなった。

 都市農業関連では、500m²以上とされる生産緑地の加減面積を引き下げる方向で、生産緑地法の改正を前提に従来どおりの税制特例を受けることが出来るようにすることとなった。一方で、賃借時の相続税の納税猶予などの具体化は、根拠法の成立が必要となるため、早急に検討されることとなった。


◆平成29年度農林水産関係予算の主な内容

○平成29年度農林水産関係予算(農業関連)のポイント
平成29年度農林水産関係予算(農業関連)のポイント

◎農山漁村振興交付金(「農泊」の推進を含む)【101億円】
 都市と農山漁村の共生・対流の促進や地域の活性化、地域資源の活用を通じた山村の活性化、福祉農園の開設等による農福連携の推進、定住・地域間交流を促進するための施設等の整備に係る助成を行う事業。
 また、滞在を伴う訪日外国人(インバウンド)需要を農山漁村に呼び込む農泊を推進するため、受け入れ態勢の整備、ホームページ等の多言語化、農林漁業体験の企画・実施、古民家等における小規模な施設改修等の費用にかかる助成を行う。

◎農地中間管理機構による担い手への農地集積・集約化の加速化【155億円】
 担い手への農地集積・集約化等を加速化するための農地中間管理機構の事業運営、農地の出し手に対する協力金の交付等を行う事業。

◎農業人材力強化総合支援事業(農業次世代人材投資事業含む)【140億円】
 次世代を担う人材を育成・確保するため、就農前後に必要となる資金、雇用就農を促進するための農業法人での実践研修、海外研修への支援を行う事業。また、農業者が営農しながら経営ノウハウを学ぶ場(農業経営塾)を創出する。

◎水田活用の直接支払交付金【3150億円】
 水田を活用して飼料用米、麦、大豆などの戦略作物を生産する農業者への交付を行う事業。また、「※産地交付金」による地域の特色ある産品の産地作りを支援する。

※産地交付金=都道府県や地域農業再生協議会が、国から配分される資金枠の範囲内で、地域が作成した作物振興の設計図となる「水田フル活用ビジョン」に基づく、麦・大豆等の生産性向上の取り組み、地域振興作物や備蓄米の生産の取り組み等を支援する交付金

◎農業農村整備事業【4020億円】
 農業の競争力強化や農村地域の国土強靭化を図るため、農地集積の加速化、農業の高付加価値化のための農地の大区画化・汎用化や水路のパイプライン化、老朽化した農業水利施設の長寿命化・耐震化対策等に係る費用の助成を行う事業。

◎輸出総合サポートプロジェクト【16億円】
 国内での事業者発掘、輸出相談窓口のワンストップ対応、海外での商談支援、マーケティング拠点を利用した販売促進支援など、輸出に取り組む事業者を継続的かつ一貫して支援する体制整備を行う事業。

 
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