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本ず栽培 覆い作業始まる
宇治市の茶生産農家約14人は、400年の伝統「本ず栽培」を行っており、3月の中旬から覆い作業が始まっている。本ず栽培とは、茶の新芽が出るこの時期に、よしずと藁で茶園全体を覆い一定期間遮光をする栽培方法をいう。
同市の茶生産農家、山本甚太郎さんは、ほんず抹茶・碾茶生産農家の6代目として約40アールの茶園すべてを本ず栽培しており、遮光用ネットで覆うことが一般的となった今も、伝統を守り続けている。
コンクリートの支柱と鉄パイプで作られた「永久棚」の屋根に本ずを一面に被せ、その上で藁をかける山本さん。新芽の成長を見定めながら、2度にわたって藁をかけ、藁で遮光することで色や香りが独特のものになり新芽の旨味も凝縮される。
本ず栽培の魅力について山本さんは「お抹茶は苦みが少なくまろやかで甘い。なにより藁で遮光することで得られる海苔のような独特の香りが生まれる。他には無いお抹茶の味を作り続け、本ず栽培を守っていきたい」と話す。
藁をふる山本さん