京都府の農業

京都府の農業

京野菜

京都では昔から、他の地域にはない品質のよい多くの種類の野菜が作られてきましたが、虫や病気に弱いなど作り方が難しく、たくさんの量は作られていませんでした。そこで京都府では、その中でも特に古い歴史を持つ約40種類の野菜を「京の伝統野菜」と名付け、作り方を研究したり、農家に育て方を説明したり、新聞やテレビで宣伝するなどしてたくさんの人に食べてもらえるよう工夫をしてきました。今ではこの「京の伝統野菜」を中心に京都府で作られた野菜が「京野菜」として、スーパーや八百屋さんで売られています。

「京の伝統野菜」として売られている主なものは、「みず菜」「壬生菜」「九条ねぎ」「伏見とうがらし」「賀茂なす」「えびいも」「堀川ごぼう」「聖護院だいこん」などです。

これらの「京野菜」を中心に、京都でとれる農林水産物の中でも、特に品質のよいものを「京のブランド産品」(公益社団法人 京のふるさと産品協会/http://kyoyasai.kyoto/)(31品目)として全国にも売り出しています。(他の商品と区別できるようにシール「京マーク」がつけられてお店に並んでいます。)


京のブランド産品

宇治茶

日本のお茶は今からおよそ800年前に、明恵上人というお坊さんのすすめで、京都の栂尾(とがのお)や宇治で育てられたのが始まりです。京都府で作られるお茶は「宇治茶」と呼ばれ、全国的に有名です。

京都府南部の山城地域は、今の日本茶を代表する「抹茶」「せん茶」「玉露」を生み出した「日本茶のふるさと」です。

宇治茶の特徴は、そのおいしさです。抹茶の原料になる「てん茶」、甘みのある「玉露」、さわやかな香りとしぶみのある「せん茶」などが作られています。

全国や関西地方で行われるお茶のコンテスト(茶品評会)で宇治茶が上位を占めるなど、高級茶として全国にその名が知られています。


宇治茶の収穫

京都府茶協同組合ホームページ(http://www.kyocha.or.jp/
京都府茶業会議所ホームページ(http://www.ujicha.or.jp/

京都米

京都で育ったお米を「京都米(きょうとまい)」と名付けています。

京都は、京都盆地以外は、ほとんど山に囲まれていて、山の多い地域です。このため、お米は、山間地の田んぼで作られていることが多く、水もきれいです。おいしいお米を育てる気候にも恵まれています。

さらに、おいしくて安心・安全なお米を作るために、化学肥料や農薬の使う量をへらす工夫をしています。

皆さんが毎日食べているごはん用のお米を「主食用米」といって、コシヒカリやキヌヒカリなどの種類があります。他に、お酒などを作るのに使うお米「酒米(さかまい)」もあります。

2016~2018年には南丹地域で作られたキヌヒカリが、全国のお米ランキングで一番おいしいお米であるという「特A」ランクを獲得しました。また、丹後地域で作られたコシヒカリも何度も「特A」を獲得しています。(最近では2012~2014年に獲得)

また、2019年には、皇位継承に伴う大嘗祭が行われるにあたり、南丹市八木町氷所区の水田で栽培した「丹波キヌヒカリ」を献上しました。


キヌヒカリ

黒大豆、小豆

京都で作られている代表的な豆は、小豆、黒大豆です。特に丹波地域(京都府のまん中あたり)や丹後地域(京都府の北部)で作られる黒大豆と小豆は、土が豆の生長に合っていることや、豆が昼と夜の温度差が大きい所でよく育つことから、粒が大きく品質がすぐれていて、全国的に有名です。

小豆は、粒あんやこしあんなどに加工されたものが和菓子によく使われ、黒大豆は正月のおせち料理には欠かせません。


黒大豆

果物

府内では、柿と梨、メロン等が栽培されています。

京都府の北部にある丹後地域では、「京たんご梨」が作られており、果物では「京たんごメロン」とともに京のブランド産品になっています。丹後地域では、このほか、もも、ぶどうなどいろいろな果物も作られています。



京たんごメロン

京の肉

京の肉の特徴

「京の肉」とは、JAグループが集荷から流通までを一体化に取り扱い、JAS法によるところの産地表示が京都産である黒毛和牛を言います。

「京の肉」は、JAグループでの取り扱いのため、生産者の飼育管理の状況が明確で給与飼料の証明書が発行できるなど、牛肉の安全性に最大の努力をしています。

京都府の丹波地方で飼育された肉牛を、自然に恵まれた環境において安全な飼料と良質な水を与えることで、ストレスを与えることなく飼育管理され、舌ざわりと繊細な旨みがあり、サシ(脂肪)の付き具合も最適で甘みがある牛肉です。

肉質等級は1~5ランクまであり、「京の肉」は上物率が90%以上を占めています。また、肉牛の生産履歴で最長飼育地が京都府であり、「京の肉」の飼育期間は平均約30か月と長く、じっくりと飼育することで旨みが増すとも言われています。

京都はお寺や神社が多く、お供えやお祭りなどに花が多く使われてきました。また、生け花がさかんなことで、古くからいろいろな種類の花が作られてきました。

城陽市では、わき水(地下水)を利用したハナショウブ、ハスなどの生産が古くからさかんです。

その他、府内では、花壇に植えるパンジーなどのポット苗、クリスマス用のポインセチア、花束用のバラ、ユリ、お墓や仏壇のお供えなどに使われるコギクなどが多く作られています。


ハス


パンジー

提供:

京都府農業の概要

農業経営体数
  • 14,183
  • 経営体
農家数
  • 24,953

(2020年農林業センサス)

耕地面積
  • 29,800
  • ha
  • 23,200
  • ha
  • 6,640
  • ha

(2020年耕地及び作付面積統計)

農業産出額
  • 666
  • 億円
  • 174
  • 億円
野菜
  • 248
  • 億円
畜産
  • 125
  • 億円

(2019年農業総産出額及び生産農業所得統計)