特集 元気な「京都農業」の構築に向けて

販売力の強化や農業生産振興等に全力 最大限に機能発揮して取り組

 平成28年度は、第27回JA京都府大会決議「元気な京都 農業と豊かな地域社会の実現 〜協同の原点に立ち地域とともに歩む〜」の実践初年度にあたる。今号では、その一つ目の柱である「将来とも継続する元気な京都農業の構築」について紹介する。

将来とも継続する元気な京都農業の構築

 JAグループ京都では、3か年の基本方向として、マーケットインを基本とした販売力の強化や担い手の育成・支援と地域農業支援の体制づくり、JA営農経済事業の体制強化に、JA、連合会、中央会が最大限に役割発揮して取り組むこととした。

1.マーケットインを基本とした販売力強化と農業生産振興

▽園芸作物の販売力強化
 品質・形状の高位平準化、多様な販売先のニーズへの対応に向けた集出荷施設の再編・整備を進めることによる一元集荷・多元販売体制の確立や、京野菜等の販売力の強化に向けた需要先・販売先の開拓の推進や相対取引や契約販売等の拡大に取り組む。【図表1】

【図表1】一元集荷・多元販売体制の確立

▽将来を見据えた水田農業振興対策
 京都米については、酒造用米、食味・品質重視の主食用米、多収を基本とした業務用米など、安定した需要先の確保・開拓をすすめる。また、水田を有効活用するため、耕畜連携によるWCS用稲、麦、豆類等の生産を振興する。さらに、大規模生産者の確保や、乾燥・調製施設の集約化による高品質な黒大豆・小豆の安定生産と生産拡大に取り組む。

▽作物別振興対策
 宇治茶については、清浄・良質な茶生産によるブランド力・販売力の強化に向け、全生産者・全製茶工場での宇治茶GAPの実践、優良品種茶園の拡大などに取り組む。
 畜産・酪農においては、「京の肉」「京都の牛乳」など京都ブランドを活かした販売力の強化による付加価値の向上と競争力のある畜産・酪農経営の確立に取り組む。
 また、消費や需要に即した売れる花きづくりによる府内産花きの生産振興や、集出荷・調製施設等の機能強化等による高・良品質な丹波くりの生産振興に取り組む。

▽京都ブランドの向上と販売チャネルの多様化による生産拡大
○6次産業化、企業との連携、輸出拡大による販売チャネルの拡大
 「きょうと農商工連携応援ファンド」等を活用した魅力ある商品開発等による付加価値の増大や、京野菜等の世界ブランド化の取り組みに併せた輸出戦略の策定などに取り組む。

○農畜産物直売事業の拡充
 農畜産物直売所のJA段階での設置と府域直売所の設置に向けた検討をすすめるとともに、JA間・直売所間や府域を超えた流通ネットワークの構築など、直売所間連携を強化する。

○京都ブランド・京都産イメージの向上による高付加価値化
 京都ブランド産品を中心とした認知度向上に向けたPR対策の強化や地理的表示保護制度(GI制度)や商標権などの知的財産権の取得と有効活用、「京のおもてなし企画」等による府内産農畜産物の消費拡大などに取り組む。

○消費者との信頼を築く食の安全・安心対策の徹底
  「JAグループの農産物=安全」のイメージをより強固にするため、「食の安全確保対策のためのGAP(基礎衛生管理)」の取り組みをすすめるとともに、農薬等の適正使用・管理と精度の高い生産履歴記帳の徹底、出荷前での残留農薬自主検査に取り組み、府内産農産物の安全・安心を確保する。

2.担い手の育成・支援と地域農業支援体制の強化

▽担い手経営体の育成・支援
○JA、連合会・中央会が連携した担い手経営体への提案型事業展開
 JA関係部門間で担い手ニーズに係る情報や課題を共有化し、総合事業の強みを活かした提案型事業展開に取り組むとともに、連合会・中央会は担い手経営体に係るJAとの情報共有と一元的なサポート体制を強化する。

○農業・農業者応援プランの活用
 JAバンク京都が取り組む「農業・農業者応援プラン」等のメニュー【図表2】を活用した事業提案を行う。

【図表2】「農業・農業者応援プラン」の概要
  取組内容
経営安定化対策 JAの農業経営資金に対する利子補給(最大1%)や保証料助成、JAグループ役職員にかかる狩猟活動費用の助成、JAが雇用する農業アドバイザーの人件費助成等を通じて、農業経営の安定化や地域の活性化を金融面から支援するもの。
◎主な支援メニュー
(1)JAバンク京都利子補給の実施
(2)農業信用基金協会保証料の助成
(3)狩猟活動費(罠等資材・諸費用等)の助成
(4)農業アドバイザーの人件費助成
農業法人等
活性化対策
個人農家や集落営農組織等が法人化する際に発生する費用の一部助成や、JA農産物直売所が開催するイベント費用等の助成等を実施し、担い手の大規模化・経営効率化を支援するもの。
◎主な支援メニュー
(1)法人化に要する費用の一部助成
(2)JAが行う「農業経営管理支援事業」の利用料一部助成
(3)JA農産物直売所のイベント開催費用等の助成
就農支援対策 新規就農者に対し、就農の定着に向け支援するもの。
◎主な支援メニュー
(1)新規就農者向け融資
(2)新規就農者への農業費用の助成
(3)新規就農研修の受入先に対する研修費助成
食農教育・
地域貢献対策
小学生等に対する食農教育の実施により、食と農への理解を深めるとともに、地域の活性化をはかる取り組みについて支援するもの。
◎主な支援メニュー
(1)JAが実施する農業体験等の食農教育・地域活性化事業に対する助成等
(2)JAバンク食農教育応援事業(教材本贈呈事業)の実施
資料:JAバンク京都信連

○担い手経営体向け事業の拡大・強化
 農業経営管理支援事業および外国人技能実習事業の利用者拡大、労災保険加入推進体制の強化に取り組む。

○多様な担い手への支援
 兼業農家や自給的農家などの多様な担い手が地域農業を支える重要な担い手として役割発揮できるよう、集落営農の組織化や法人化の一層の推進に取り組む。
 また、新規就農希望者が就農相談や生産・販売・経営等の指導により、円滑に就農・定着できるよう、行政等と連携した取り組みをすすめる。

▽有害鳥獣対策の強化
「一般社団法人 JAグループ京都有害鳥獣対策本部」を中心に、有害鳥獣の捕獲をすすめるとともに、国・府・市町村への対策強化や予算確保に向けた取り組みをすすめる。

▽JA出資型農業法人による農業経営の取り組み
 担い手確保が困難な地域の農地保全や農作業受託、新規就農者の研修など、地域農業の振興と支援に向け、多彩な取り組みが可能なJA出資型農業生産法人による農業経営の取り組みをすすめる。

3.JA営農経済事業の体制強化

▽営農経済事業の拡大
  組合員の事業利用を拡大するため、達成すべき事業量および事業費用を明確にして目標設定を行い、目標必達をはかる。

▽出向く営農体制の強化と人材の確保・育成
 担い手経営体への提案型事業展開を行うため、全JAでの出向く営農体制の確立と機能強化をはかる。また、高度な専門的知識やコミュニケーション能力を有する人材の育成と配置を計画的にすすめる。【図表3】

【図表3】TACの設置状況(平成28年3月末現在)
JA名 TAC担当者数
(人)
配置体制 継続訪問先実績
(経営体)
JA京都中央 2 本店(1か所) 193
JA京都やましろ 11 基幹支店(11か所) 607
JA京都 8 広域営農センター
(3か所)
539
JA京都にのくに 3 本店(1か所) 179
合計 24   1518
資料:JA全農京都

▽営農相談体制の整備
 組合員の幅広いニーズに対応するため、営農指導員・営農相談員の計画的な資格取得と適正配置をすすめる。

4.京力農場プランの策定・実践支援と政策確立の取り組み

▽京力農場プランの策定・実践支援
 担い手経営体の育成、農地の集積などをまとめた「京力農場プラン」の策定・実践を行政・関連機関と一体となって支援する。

▽政策確立の取り組み
 担い手経営体が実感できる農業所得の向上の実現に向けた産業としての農業対策、豊かな農村地域の維持に向けた地域対策としての農村対策の政策確立および都市農業の振興対策に取り組む。

 
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