平成30年度 京都府農業政策・予算要請の概要

重点5項目を中心に全16項目 農業振興へ万全の予算確保を要請

中川会長から要請書を受け取る山田知事(右)
▲ 中川会長から要請書を受け取る山田知事(右)

 JA京都中央会は10月17日、京都府へ「平成30年度京都府農業政策の確立と予算に係る要請」を行い、中川泰宏会長から山田啓二京都府知事と山下晃正副知事に要請書を手渡した。
 JAグループ京都では、平成27年に開催された第27回JA京都府大会の決議に基づき、「将来ともに継続する元気な京都農業の構築」、「協同の力で地域の活性化」、「JAを支える組織基盤の強化」、「農業・JAへの府民・国民理解の醸成」の4つを主要な取り組み事項としている。今回の要請では、京都府農業の振興とそれに向けたJAグループの着実な事業展開に向けて、府内JA・連合会からの意見を積み上げ、全16項目の要請としてとりまとめた。
 要請では、@JAグループ京都が独自に取り組みを進める「有害鳥獣対策」、A残留農薬検査体制の強化・産地偽装表示の防止などを求める「食の安全・安心対策の強化」、B各種災害の防止に向けた「災害に強いインフラ整備対策」、C京野菜等のさらなるブランド力強化を目指す「府内産農畜産物のブランド化対策」、D農産物の生産基盤の強化・整備への予算拡充を求める「府内産農産物の生産振興・販売力強化対策」―の5項目を重点要請事項とした。そのほか、担い手経営体の経営強化・新規就農支援などを盛り込んだ「担い手育成・支援対策」、都市農業への理解醸成と税負担軽減対策などを求める「都市農業対策」などの11項目を一般要請事項とした。
 平成29年度の京都府農林水産関係予算は210億9700万円(対前年比7・0%減)と大幅に縮小し、予算全体に占める割合は2・3%と厳しい状況にある。さらに、本府農業をめぐる情勢は、農業従事者の高齢化や後継者不足、頻発する風水害・雪害等の天災被害、有害鳥獣被害への対応など、喫緊の課題が山積している。

 このような情勢の中、JAグループ京都は農業者が直面する様々な農政問題に対応し、機動的に行政に働きかけるとともに、現場の実情に即した政策の実現と予算の確保を目指す。


 

 平成30年度京都府農業政策の確立と予算にかかる要請の概要は次のとおり。(要約・抜粋)

重点要請事項

◆有害鳥獣対策

○有業鳥獣捕獲への支援

被害多発地域でのJAグループと連携した捕獲事業の実施等、有害鳥獣捕獲の取り組みを効果的に進めるための支援、および狩猟免許取得者が負担する入猟税・狩猟者登録税等の減免措置や有害鳥獣捕獲を行う団体間の連携調整の実施。

○防除対策予算の拡充

防護柵の設置や駆除等の防除対策に対する府独自の万全の予算確保と有害鳥獣捕獲に対する一層の支援、および防護柵・電気柵の設置・改修・改善費用の事業対象化と規制の見直しも含む抜本的な頭数削減対策の検討。

○個体処分の支援対策

捕獲した有害鳥獣の個体処分にかかる焼却施設の設置・運営にかかる府独自の支援対策の拡充。

◆食の安全・安心対策の強化

○残留農薬検査体制の強化対策

○産地偽装表示の防止対策

信頼できる検査機関での「安定同位体比検査」の実施導入、および検査の実施にかかる支援。

◆災害に強いインフラ対策

水害再発防止に向けたインフラ整備や農業の再生産につながる復旧支援対策、水害常習地域に対する農業所得安定のための支援対策、および雪害防止に向けた既存のパイプハウスへの雪害対策資材の設置にかかる支援の拡充。

◆府内産農畜産物のブランド化対策

○世界ブランド化対策

「京」ブランドを世界ブランドとしていく取り組みにかかるJAグループとの連携。

○京都ブランド力強化対策

「京マーク」の認知度向上に向けた対策強化と「京マーク品」の認証拡大に向けた取り組みの強化、および「京野菜生産加速化事業」、「6次産業向け体制整備事業」の補助率引き上げと遮光資材・循環扇の導入等に対する支援の拡充・強化。

◆府内産農産物の生産振興・販売力強化対策

農業用施設や農業機械等の整備、集出荷・施別施設の機能強化、省力・低コスト生産、出荷容器・包装資材の作成等に対する昨年以上の予算確保、およびパイプハウス整備事業の作付面積要件の緩和。

一般要請事項

◆京力農場プランの策定・実践支援対策

○京力農場プランの策定推進対策

府内全地域でのプラン策定に向けた市町村や関係機関に対する指導。

○地域農業再生協議会の機能強化対策

市町村段階の地域農業再生協議会が京力農場プランの策定・実践等に向けた機能を発揮するための体制整備等の指導、および実務者による検討組織の再構築に向けた指導と運営にかかる支援。

◆担い手育成・支援対策

○担い手経営体の経営強化対策

担い手経営体の確保・育成と経営強化に向けた農業融資制度、農業機械・施設導入支援対策の充実・強化。

○新規就農者支援対策

農家後継者を含む新規就農者の確保・育成対策とそれら担い手の農業施設・機械導入に対する支援対策、および中山間地域等での移住・定着に向けた支援対策の充実・強化と後継者不足の解消に向けた若い担い手の結婚支援活動への支援。

○多様な担い手への支援対策

○農業労働力確保対策

○農作業中事故の撲滅に向けた対策

◆農地対策

○農地基盤整備推進対策

畦畔の除去や簡易地下水調整施設の導入等の農地基盤整備に対する支援対策の拡充・強化、および小規模農家や高齢農家等を対象とした簡易なパイプハウスや機械等の導入に対する支援の継続・強化。

○農地中間管理機構の機能強化対策

農地中間管理機構を活用した担い手経営体への農地集積の取り組み強化、および実情を踏まえた交付金配分とするための国への働きかけ。

◆府内産農畜産物の生産振興・販売強化対策

○京都ブランド作物対策

ブランド京野菜や業務・加工用野菜の生産振興に向けた集出荷・選果・貯蔵施設の更新・新設等、有利販売に向けた支援。

○京都米の生産振興・販売強化対策

安定した府内の需要先確保に向けた米消費・需要拡大対策の実施、および「特A」評価の全地域での獲得に向けた支援と特別栽培米等の特色ある米づくりに対する支援の継続等。

○小豆・黒大豆の生産拡大対策

○麦類の生産対策

○宇治茶の生産振興対策

○花きの生産振興対策

○丹波くりの生産振興対策

生産・出荷・販売促進対策の強化に向けた京都府の体制と窓口の一本化の促進、および新たな防除技術の研究・導入と、導入にかかる施説・機器類の支援

○畜産の振興対策

生産者の労働負担の軽減と生産性の向上に向けたキャトルブリーディングステーションや預託育成牧場の整備にかかる支援等、および乳用牛導入に対する補助支援対策。

◆優良種子の安定生産・供給体制の強化対策

種苗法廃止後も現行同様の役割・体制の確保と種子生産にかかる予算の恒常的な確保、および高品質な原原種・原種・種子生産の継続に向けた種子生産・供給の将来方向のあり方を検討する協議会等の設置。

◆燃油・資材高騰対策

◆食の安全・安心対策

○GAPの推進対策

○農薬の適用・登録拡大対策

◆地産地消・食農教育の推進対策

○農産物直売所の設置支援

小規模農家を対象とした資材等の導入支援と備品の設置・更新にかかる支援、および直売所を拠点に開催する食農教育や地産地消運動等の取り組みに対する支援等。

○食農教育等への取組支援

◆都市農業対策

○都市農業への理解促進対策

都市農業・農地への市民理解の促進と都市農地における体験農園・市民農園の設置などJA等が実施する都市農地の有効利用の取り組みへの継続的な支援。

○都市農地の税負担軽減対策

生産緑地制度の維持による現行の「法定相続分課税方式」や「相続時納税猶予制度の基本的枠組み」の堅持にかかる国への働きかけ。

◆原種農場対策

原種農場の委託事業費の十分な確保、および原種生産に必要な農業機械の更新、種子保管にかかる冷蔵施設の整備にかかる対応。

◆その他の要請事項

JAが取り組む移動購買車の事業規模を維持し、集落を守る活動が継続できるための支援。

 
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