特集 2015年農林業センサスの概要

農業経営体・就職者数は減少 高齢化と大規模化すすむ

 農林水産省は昨年11月、2015年農林業センサスの結果概要を発表した。センサスは農林業の生産構造や就業構造、農山村地域における土地資源など農林業・農山村の基本構造の実態とその変化を明らかにすることを目的とした調査で、2月1日を基準日として5年ごとに実施される。

【全国の特徴】
 農家や法人組織等を合わせた全国の農業経営体数は137万5000経営体で、前回の2010年調査に比べ30万4000経営体(18.1%)減少する結果となった。一方で、農業経営体のうち法人経営数は2万7000経営体となり、前回対比で25.5%増加している。

 また、経営耕地面積規模別でみると、北海道では100ヘクタール、都府県では5ヘクタール以上の層で経営体数が増加しており、経営規模が拡大している。

 農家数は215万3000戸で、前回対比で37万5000戸(14.8%)減少した。販売農家数・自給的農家数ともに減少した。

 農業就業人口(販売農家)は209万人で、前回対比で51万6000人(19.8%)と大幅に減少した。農業就業人口の平均年齢は66.3歳、65歳以上の人口は132万6000人で全体の63.5%を占めるなど、担い手の減少と高齢化が進行している。

 経営耕地面積は344万ヘクタールで、前回対比で19万3000ヘクタール(5.3%)減少した。そのうち借入耕地面積は116万2000ヘクタール(33.8%)で、農地集積が進んでいる。

 農家および土地持ち非農家の耕作放棄地面積は42万4000ヘクタールで、前回対比で2万8000ヘクタール(7.1%)増加した。

【京都府の特徴】
 京都府では、農業経営体数は1万8016経営体となり前回対比で16.9%減少した。一方で、耕地面積が3ヘクタール以上の経営体および農産物販売金額規模が2000万円以上の経営体が増加しており、規模拡大の傾向にある。

 経営耕地は1万9651ヘクタールと前回対比で7.4%の減少、耕作放棄地は241ヘクタール増加した。

 また、販売農家の農業就業者数は2万4759人となり、前回対比で16.0%減少した。また、平均年齢は68.7歳で、65歳以上の占有率は70.9%(前回対比1.2ポイント増)と全国平均を上回る高齢化が進行している。

 2015年農林業センサスの京都府の調査結果概要は次のとおり。

◆農業経営体は1万8016経営体(16.9%減少)

 農業経営体数は1万8016経営体で、前回より3662経営体(16.9%)減少した=表1

 このうち、97.4%を占める家族経営体は1万7548経営体で、前回より3715経営体(17.5%)減少した。

(注)農業経営体=経営耕地面積が30アール以上もしくはこれに相当する外形基準を満たす農業を営む者等家族経営体=家族によって行っている経営体

   家族経営体=家族によって行っている経営体

◆販売農家数の減少と土地持ち非農家が増加、主業・準主業農家は大幅に減少

 総農家数は3万663戸で前回より4962戸(13.9%)減少した。販売農家数は1万7485戸となり、3690戸(17.4%)減少した。一方で、土地持ち非農家は1万5448戸(前回比120戸増)となっている。

 主副業別の農家分類では、主業農家が611戸(21.4%)、準主業農家が1618戸(35.0%)、副業的農家が1458戸(10.7%)とそれぞれ大幅に減少した。

(注) 主業農家=農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得)で、年間60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家

   準主業農家=農外所得が主で、年間60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家副業的農家=年間60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいない農家

   副業的農家=年間60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいない農家

◆専業農家数が増加、兼業農家は大幅に減少

 販売農家を専兼業別にみると、専業農家は5713人と前回より397人(6.9%)増加した。一方、兼業農家は第一種兼業農家が1012人(44.3%)、第二種兼業農家は3072人(22.6%)と、それぞれ大幅に減少した。

◆農業就業者の高齢化の進行

 販売農家の農業就業者は2万4759人となり、前回より4723人(16.0%)減少した。年代別の就業人口では、男女ともに85歳以上の層が増加した。これに伴い、65歳以上が占める割合が70.9%と前回より1.2ポイント上昇し、高齢化がさらに進んでいる状況が読み取れる=表2

◆大規模経営体が増加

 農業経営体を経営耕地面積別にみると、3ヘクタール未満では1万7119経営体となり、前回より3749経営体(18.0%)減少している。一方、3ヘクタール以上では897経営体となり、87経営体(10.7%)増加しているなど、経営の大規模化が進んでいることが表れている。

 また、経営耕地面積の平均は1.1ヘクタールと前回より0.11ヘクタール(11.1%増)拡大しており、このことからも経営の大規模化が見て取れる。

◆経営耕地面積は1万9651ヘクタール

 農業経営体の経営耕地面積は1万9651ヘクタールで前回に比べ1575ヘクタール(7.4%)減少した。

 耕地の種類別にみると前回に比べ、田は1万5846ヘクタールと1300ヘクタール(8.2%)、畑が2080ヘクタールと53ヘクタール(2.5%)、樹園地は1726ヘクタールと221ヘクタール(11.6%)減少した。

 また、借入耕地面積は7673ヘクタールと前回より491ヘクタール(6.8%)増加し、農地の集積が進んでいることが読み取れる。

 一方で、16.3%の借入耕地面積の伸びをみせた前回調査時と比べると、伸び率が減少している結果となった。

◆農産物販売金額規模の大きい層で経営体数が増加

 農業経営体を農産物販売金額規模別にみると、2000万円以上の販売金額規模では261経営体となり、前回より8経営体(3.2%)増加した。一方で、販売金額規模が2000万円未満の経営体は1万7755経営体と3688経営体(17.2%)減少しているなど、経営の大規模化が進んでいる現状が読み取れる。

◆経営組織別経営体数の減少

 農業経営体を農業経営組織別にみると、単一経営体は1万1994経営体で、2061経営体(14.7%)、複合経営体は3472経営体で823経営体(19.2%)と、それぞれ大幅に減少した。なお、主位部門が「肉用牛」および「養豚」の経営体数は増加している。

(注)単一経営体=農産物販売金額のうち、主位部門の販売金額が8割以上を占める経営体

◆農産物の出荷先が多様化

 農業経営体を農産物販売金額1位の出荷先別にみると、農産物販売のあった経営体数が1万5466経営体と前回より2884経営体(15.7%)減少するなか、JAが販売金額1位であった経営体の割合は54.0%と前回より3.3ポイント減少した。また、卸売市場や消費者への直接販売など、今まで主流であった出荷先の割合がそれぞれ減少した一方で、JA以外の集出荷団体や小売業者、外食産業などへの出荷割合が増えており、経営体の出荷先が多様化している状況が読み取れる。

◆耕作放棄地は引き続き増加

 耕作放棄地は3092ヘクタールとなり、前回より241ヘクタール(8.5%)増加した=表3

(注)耕作放棄地=過去1年以上作付けせず、この数年間に再び作付けする考えのない耕地

表1 経営形態別農業経営体数 (単位:経営体)
  2010年 2015年 増減率
(%)

農事組合法人 57 79 38.6
会 社 120 153 27.5
各種団体 61 46 △ 24.6
その他法人 18 22 22.2
小 計 256 300 17.2
地方公共団体・
財産区
3 2 △ 33.3
非法人 21,419 17,714 △ 17.3
21,678 18,016 △ 16.9
表2 年齢別農業就業者 (単位:人)
  2010年 2015年 増減率
(%)
構成比
(%)
65歳未満 8,926 7,197 △ 19.4 29.1
65歳以上 20,556 17,562 △ 14.6 70.9
29,482 24,759 △ 16.0 100.0
平均年齢 68.3歳 68.7歳 - -
表3 耕作放棄地面積 (単位:ha)
  2010年 2015年 増減率
(%)
耕作放棄地面積 2,851 3,092 8.5
 
■トップへ戻る   ■バックナンバーにもどる   ■前のページへもどる   ■閉じる