特集 京野菜がロシアで絶賛

繊細な味と美しさで魅了 日ロ経済・文化交流事業

 JAグループ京都は8月3日、ロシア・モスクワのペトロフスキー宮殿で大晩餐会を開催し、日ロ両国の政府関係者や府内JA、中央会・連合会関係者、京野菜生産者ら300人が参加した。

 この晩餐会は、JAグループ京都が平成24年度より展開している「京野菜世界ブランド化事業」の取り組みで、京都府内産農畜産物の将来的な輸出に向けて、ブランドの付加価値をさらに世界的なものへと高めていくことが目的である。平成24年度のフランス・ヴェルサイユ宮殿を皮切りに、一昨年のトルコ・トプカプ宮殿、昨年の中国・宋慶齢故居で同様の晩餐会を開催してきた。JA京都中央会の中川泰宏会長は「これまでの3年間、世界3大料理の発祥国において晩餐会を開催し、いずれも高い評価を得ることに成功した」としたうえで、本年については「現実的に日本からの距離も近いだけではなく、富裕層も多く、日本食がブームとなっているロシアには輸出のチャンスがある」と判断したうえで開催国を決定し、これまで準備を進めてきた。

賑わう晩餐会の様子
▲賑わう晩餐会の様子

 晩餐会は「日ロ経済・文化交流事業」の一環。JAグループ京都とモスクワ企業家協会との共催により、両国の食文化交流と京野菜のPRを目的に開催した。今回は8品目の京野菜のほか、京の肉、京の酒などを持ち込み、日ロ両国のトップシェフが見事なフルコースに仕上げた。日本側からは、これまでの晩餐会でも腕を振るった美濃吉本店竹茂楼の佐竹洋治調理総支配人が調理を担当し、京野菜の魅力を最大限に引き出した料理でロシア側の参加者を魅了した。参加者からは「京野菜の繊細な味と美しさには感動した。是非輸出してほしい」と話すなど、晩餐会は大盛況のうちに幕を閉じた。

 中川会長は「ロシアに京都府内産農畜産物の素晴らしさを伝える、新たな一歩となった。攻めの農業として、JAグループが世界に売り込みをかけて、安全・安心で高品質な京野菜を生産する農業者の所得向上を実現していかなければならない。今後も京野菜の輸出に向けた取り組みを展開していく」と力強く抱負を語った。

日ロ経済・文化交流事業の概要は次のとおり。

◇ペトロフスキー宮殿大晩餐会
 ロシア・モスクワ市内のペトロフスキー宮殿で、京野菜をはじめとする京都府内産農畜産物を用いた大晩餐会を開催した。

京野菜を手に取るロシア側参加者
▲京野菜を手に取るロシア側参加者

 今回会場となった同宮殿は、オスマン帝国との露土戦争の勝利を記念して、ロマノフ朝の女帝・エカテリーナ2世が建設したもので、当時の首都であるサンクト・ペテルブルグからの長い旅程を経てモスクワへ入る前に、休息をとるための宮殿として利用された。ナポレオンがロシア侵攻の際に司令部をここに置き、モスクワ攻略を見守ったことでも知られており、現在はモスクワの迎賓館ともなっている格式高い宮殿である。
 日本側からは、JA京都中央会の中川泰宏会長、JA組合長・理事長など府内JA代表者等をはじめ、元・農林水産省大臣で、日ロ友好議員連盟の西川公也副会長、飯島勲内閣参与、京都府の山下晃正副知事などが出席、ロシアからも、大統領顧問や国会議員など多くの政府関係者が出席した。
 晩餐会の開会にあたり、中川会長は「日本食は健康的な料理で、その日本食を支えるのが今回持ち込んだ京野菜だ。京都の農家が丹精こめて育てた伝統の味を是非堪能してほしい」と挨拶した。
 今回持ち込んだ食材は京みず菜、京壬生菜、九条ねぎ、伏見とうがらし、万願寺甘とう、賀茂なす、京山科なすのブランド京野菜に加え、京都米、宇治茶、京の肉、京の酒、短形ごぼうなど。晩餐会のメニューは、美濃吉本店竹茂楼の佐竹洋治調理総支配人と、ロシアからアンドレイ・シマコフシェフが担当した。シマコフシェフは、5つ星を獲得しているメトロポールホテルのレストランの料理長で、国際料理競技の審査員も務める、現在ロシア料理界で最高のシェフの1人である。日ロのトップシェフがタッグを組み、見事な日ロコラボレーションメニュー全6種を参加者へ提供した。佐竹調理総支配人は、「出汁が十分に染み込んだ京野菜は京料理に欠かせないものだ。京野菜と出汁の魅力を強く感じてもらえるような調理を心がけた」と話した。

シマコフシェフと対談した中川会長
▲シマコフシェフと対談した中川会長

 料理を味わった参加者は「京の肉はとても柔らかくて美味しい。ロシアで和食といえば寿司かと思っていた。こういった料理もどんどん紹介してほしい」「賀茂なすが素晴らしい。ロシアにこんななすはない。あまりなすは好きじゃないのに、こんなに美味しいなすを作る技術が素晴らしい」と感嘆の声をあげた。料理を手がけたシマコフシェフも「京都の食材はクオリティが非常に高い。九条ねぎは、まるで工場で作ったのではないかと思うほど、1本1本の形が綺麗だ」と初めて京野菜を調理した感想を述べるなど、京野菜の世界への躍進に向けて、確かな足がかりとなる晩餐会となった。
 参加した生産者は「ロシアの方々が、自分たちの作った京野菜を本当に美味しそうに食べておられるのを見て、胸が熱くなった。京野菜は世界レベルの品質であることがこれまでの晩餐会で証明され、それを自分たちが生産していることに誇りを持ち、今後一層生産に力を入れたい」と話した。

◇日本食フェア

見事なコースを披露したシェフ陣
▲見事なコースを披露したシェフ陣

 7月30日から8月5日までの期間、モスクワ市内のエリダンホテルのレストランで開催した。ロシア市民へ日本食の魅力をPRすることが目的で、期間中は宇治茶や京の酒を無料試飲するイベントを行った。
 振舞ったのは宇治産の煎茶と京都産酒造好適米「祝」を用いた大吟醸「祝米」。宇治茶を試飲したロシア人からは「とてもフルーティーな味わいで元気が出る。また飲んでみたい」と評判。「祝米」についても、「豊かな味わいだ」と好評であった。
 レストラン内には宇治茶と日本酒のディスプレイやPRポスターを貼付しており、冊子も展示していた。来店者は興味深くポスター等を見入るなど、宇治茶、日本酒の魅力を大いにPRする7日間となった。

◇食品関連事業者懇談会

宇治茶や京の酒をディスプレイ
▲宇治茶や京の酒をディスプレイ

 晩餐会翌日の8月4日、JAグループ京都と食品関連企業の代表者らとの懇談会をペトロフスキー宮殿に隣接するレストランで行った。日本側からはJA京都中央会の中川泰宏会長をはじめ府内JA組合長・理事長、西川公也・元農林水産大臣、JA全農の成清一臣理事長など20名、ロシア側からも食品関連企業経営者ら19名が出席した。
 懇談会では、佐竹調理総支配人が手がけた京都府内産農畜産物を用いた全7種の料理を味わいながら、日本・ロシア両国の食品貿易の活性化に向け、意見交換を行った。

 ロシアで食品関連マーケティング会社を営むクーロチキナ・エカテリーナCEOは宇治茶に注目し、「素晴らしい味わいであった。輸入するとなると価格は高くなりそうだが、ロシアでも人気が出ると思う」と話し、他のロシア側参加者も「大変有意義な機会であった」と感想を述べた。JA京都中央会の中川泰宏会長は「『是非とも京野菜や宇治茶を買いたい』や『そのときの運送は当社でやらせてほしい』など、実際のビジネスにつながる話が出て手ごたえを感じた。ロシアの財界人と親交を深め、画期的な事業ができるようになることを期待している」と話した。

懇談会では宇治茶が好評
▲懇談会では宇治茶が好評

 同事業の模様については、「アイキャッチ」にも掲載。

 
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