「週刊ダイヤモンド」記事への対応

中国産米の混入はありえないダイヤモンド社への訴訟を提起

事実と異なる内容の記事を掲載した「週刊ダイヤモンド」(2月18日号)
▲ 事実と異なる内容の記事を掲載した「週刊ダイヤモンド」(2月18日号)

 2月13日、株式会社ダイヤモンド社(以下、ダイヤモンド社)が発行する「週刊ダイヤモンド 平成29年2月18日号」にJAグループ京都、および株式会社京山(以下、京山)に関する記事が掲載された(以下、同記事)。記事の内容は、京山が、販売する米に中国産の米を混ぜており、JAグループ京都が京山の株主の立場で産地偽装を主導したとの印象を与えるものとなっている。

 同記事の内容は事実とは異なり、かつ非常に悪質で、JAグループ京都および京山の信頼を著しく損なうものであることから、京山と、JA京都中央会・JA全農京都・JA京都の3者は2月15日、ダイヤモンド社に対し、損害賠償と信用回復を求める民事訴訟を提起した。また、京山は2月27日、京都地方検察庁に告訴状を郵送した。

 現在、京山には農林水産省・京都府などが立ち入り調査に入っている。さらに、京山からの調査実施依頼に基づき、JAグループ京都は2月16日から京山に農協監査士等を派遣し、一刻も早く真実を明らかにすべく調査を進めている。調査の進捗状況については、JAグループ京都ウェブサイト内に特設ページを立ち上げ、明らかになった事実を随時アップし、情報の公開を行っている。

 2月27日には、JAグループ京都は元検事正の弁護士ら2名・JA全農・行政などの立会いの下、中国米の混入があったとされる1月5日精米の同銘柄のサンプル米を厳重に封入。その後、東京の一般財団法人日本穀物検定協会に「DNA分析」および「重元素安定同位体比分析」を依頼、サンプル米を提出した。これらの分析法は同記事が産地偽装の論拠としている「軽元素安定同位体比分析」と比べ、品種・産地の判別に信頼性が高いとされている。

 JAグループ京都では、今後もグループ全体を挙げて調査を進めることで真実の把握に努め、法廷で身の潔白を証明するとともに、消費者への信頼回復に努めていくこととしている。

 「週刊ダイヤモンド 平成29年2月18日号」発売以降のJAグループ京都の対応の概要等は次のとおり。

◆JAグループ京都の対応と確認された事実

◇平成29年2月15日

 JA京都中央会とJA全農京都、JA京都の3者連名で、ダイヤモンド社に損害賠償と名誉回復を求める訴訟を提起する。

◇平成29年2月16日

 京山からの依頼に基づき、農協監査士等を派遣し、立ち入り調査を開始する。

◇平成29年2月17日

 在庫管理データと在庫の突合により、京山所有のコメ保管倉庫内に中国産米の在庫および産地不明のコメは保管されていないことを確認する。

◇平成29年2月18日

 京山が一部の原料米の保管と入出庫を委託している業者の営業倉庫への立ち入り調査により、同日時点で、京山では中国産米を一切保有していないことが判明する。
 また、京山における過去5年間の中国産米の仕入・販売状況から、2014年から2016年には中国産米の仕入はなく、2012年・2013年に仕入れた中国産米は全て精米で仕入れており、全てその包装のまま販売していたことが判明する。

◇平成29年2月19日

 記事で言及された4銘柄について、28年度の売上伝票と得意先別販売数量データの突合を行う。

◇平成29年2月20日

 2012年および2013年に仕入れた中国産米の仕入・販売の流れを確認する。
また、JAグループ京都ホームページ内に、同記事に対する情報発信特設ページを開設した=写真。

情報発信特設ページを開設する▲ 特設ページのQRコード

◇平成29年2月21日

 農林水産省ホームページ内「輸入米に係るSBSの結果の概要」から、SBS米における中国産の「精米短粒種」および「玄米短粒種」は2012年と2016年にのみ輸入されていたことが判明する=図表。
 また、京山は2012年の中国産米は全て中国産米として販売しており在庫はなく、2016年中に輸入された中国産米が業者の手元に渡るのは2月末頃となるため、京山の販売する米に中国産の短粒種を混入させることは物理的に不可能であったことが判明する。

SBS輸入米における中国産輸入量実績(農林水産省ホームページ「輸入米に係るSBSの結果概要」より作成)
(単位:トン)

◇平成29年2月24日

 平成28年11月から平成29年1月末までの全ての品目の玄米・精米の状況について調査した結果、同日までの調査において、中国産米および産地不明の米の混入はないことが判明する。

◇平成29年2月27日

 弁護士・JA全農・行政などの立会いの下、中国米の混入があったとされる1月5日精米の同銘柄のサンプル米を厳重に封入し、東京の一般財団法人日本穀物検定協会に「DNA分析」および「重元素安定同位体比分析」のためサンプル米を提出した。
 また、京山がダイヤモンド社に対する告訴状を京都地方検察庁に郵送した。

弁護士・行政等の立ち会いのもと検体を確認
▲ 弁護士・行政等の立ち会いのもと検体を確認

◆同記事の問題点

◇中国産米と日本産米の判別における「軽元素安定同位体比分析」の信頼性

 東京電機大学出版局発刊の『食品表示を裏づける分析技術―科学の目で偽装を見破る―』によると、豪州産、米国産、中国産、台湾産および日本産の5つの米の炭素・酸素同位体比を分析すれば、豪州産および米国産は日本産と明らかに違う一方、中国産、台湾産は日本産に大変よく似ている、と記述されている。
 このように、「軽元素安定同位体比分析」のみで日本産と中国産の米の産地を判別することは非常に難しいといわれており、その分析結果だけを用いて京山が中国産米を混入させる産地偽装を行っていた、とするのはあまりに乱暴であり記事としての信頼性を欠いている。

◇嘘の情報の記載

 同記事では「京山の法人登記によれば、株式の55%をJA京都中央会が、23%を全農京都が保有する」としているが、JA京都中央会は京山の株式を保有しておらず、全農京都の京山株式保有割合は14.8%である。他にも記事内に多数の悪質な嘘の情報が記載されている。

 
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