京野菜・花きの生産・販売強化へ

府統一推進品目のブランド力強化へ 3か年運動の実践中間年度

 府内各地域で特産物の生産・販売強化に向けた取り組みが進んでいる。京都府・JA京都中央会・JA全農京都・(公社)京のふるさと産品協会の4団体で構成する京都府特産物育成協議会は7月7日、京都市内で協議会を開き、平成29年度の活動計画などを決めた。
 今年度は、同協議会が昨年定めた「ブランド京野菜等競争力強化運動」(平成28年度〜平成30年度)の取り組み中間年度となる。取り組みの基本目標は@京野菜等の生産基盤および販売力の強化、A生産者所得の向上、Bブランド京野菜等生産面積の拡大―の3点。京みず菜や九条ねぎ、賀茂なすなど6品目の重点推進品目を含む9品目を府統一推進品目とし、生産・販売の強化を目指している。
 平成29年度の活動では、地域特産物育成協議会との連携のもと、産地化等を通じた新規品目の振興に取り組むほか、既存のブランド産品については消費者ニーズに即した出荷規格の検討・見直しを行う。また、地理的表示保護制度(GI)の販売への活用や京マークの認知度向上を図り、ブランド力の一層の強化と販売の拡大を目指す。さらに、現状の課題把握と動向予測に資するため、京みず菜の担い手を対象に空きハウスの状況や年齢構成などの実態調査活動にも取り組む。
 平成28年度は「ブランド京野菜等競争力強化運動」の取り組み初年度として、府統一推進品目を中心に28年度目標の達成に向けて取り組んだが、夏から秋にかけての天候不順により特に秋冬品目を中心に販売数量が大きく減少した。また、販売価格も高単価であった平成27年度と比較して多くの品目で低く推移し、販売金額合計は15億3102万円(前年比95%)となった。
 協議会に参加した委員からは「ブランド戦略が30年を迎え、京都ブランドは全国で高い評価を得るに至った。これを活かして地域を活性化させるためにも売れる野菜作りが必要となる。そのために、新たな品目を作るとともに、既存品目の生産増・販売増が極めて重要だ」といった意見が挙がり、特産物の生産基盤強化と販売の拡大の取り組みが一層進められることとなる。


【図表1】府統一推進品目一覧(9品目)

京みず菜、伏見とうがらし、九条ねぎ紫ずきん・京 夏ずきん
えびいも、賀茂なす京山科なす、聖護院だいこん、コギク

(※二重下線は重点推進品目)

 京都府特産物育成協議会の平成29年度活動計画および「ブランド京野菜等競争力強化運動」(以下、3か年運動)で定める府重点推進品目の取り組み概要は次のとおり。

◆平成29年度活動計画【要約・抜粋】

○諸会議等の開催

 諸会議の開催を通じ、京野菜等の生産拡大・販売力強化の取り組みを進める。また、品目別の対策会議や研修会を開催する。

○黒大豆枝豆の安定生産及び有利販売に係る活動

 京 夏ずきんについて、7月下旬出荷の実施及び黄化莢防止に向けた出荷開始時期の検証を行う。また、紫ずきん2号の発芽率安定のための技術普及に取り組む。

○賀茂なす、京山科なすの販売強化に係る活動

 賀茂なすの優品に「京都府産」と分かるシールを貼り付けることで優品の価格安定効果を検証する。
 京山科なすは、京都府漬物協同組合との契約出荷による価格安定を図るとともに、面積拡大に向けた関係機関との協議を通じ、契約量増加につなげる。

○新規品目の振興及び消費者ニーズに応じた出荷規格の検討

○担い手実態調査活動の実施

○種苗の安定生産・供給体制の強化

○地理的表示保護制度の販売への活用

 京壬生菜や紫ずきん等、申請準備ができているものについて順次申請を行う。また、本制度を活用した京のブランド産品の有効な販売方法について検討する。

○京マークの認知度向上

 

◆府重点推進品目の取り組み

○京みず菜

 3か年運動においては、大規模経営体の育成に加え、高齢者や退職専業農家等の多様な経営体を担い手として確保することとしている。また、空きハウスの有効活用、夏季における品質向上対策、夏季栽培を労力面・技術面で容易にする品種の検討などに取り組むこととしている。
 平成28年度は施設整備導入を支援し、生産者の大規模化を支援したほか、雪害で被害を受けた施設の復旧支援を実施した。
 →30年度数値目標=50f(ブランド面積)、650d(ブランド販売数量)、195d(相対数量)

○九条ねぎ

 3か年運動においては、施設化・機械化等をさらに推進し、担い手の一層の大規模化を図るとともに、湿害対策や夏季の病害虫防除の徹底等による栽培技術の高位平準化、品種・規格・包材の再検討、ブランド出荷量の増加などに取り組む。
 平成28年度は施設整備・機械導入による生産者の規模拡大を支援したほか、ブランド生産出荷に向けた組織強化と技術研修会の実施、ブランド出荷への誘導などに取り組んだ。
 →30年度数値目標=60f(ブランド面積)、195d(ブランド販売数量)、142d(相対数量)

○紫ずきん・京 夏ずきん

 3か年運動においては、更なる面積拡大の実現に向け、種子生産体制の構築に取り組むほか、共用の色選機械導入や適期収穫の徹底などクレーム低減の取り組みや新包材の検討、予冷体制の確立、紫ずきん3号の栽培技術の確立などに取り組む。
 平成28年度は丹後地域での色彩選別機の導入を支援したほか、京 夏ずきんの黄化莢による品質低下のクレームに対応するための出荷会議を実施した。また、紫ずきんの極早生作型を中心とした販売促進活動とジッパー式包材の市場性調査にも取り組んだ。
 →30年度数値目標=94f(ブランド面積)、300d(販売数量)

○賀茂なす

 3か年運動においては、需要に応じた生産・出荷体制の確立を図るとともに、出荷規格や実需の要望にあった少量包装を検討する。
 平成28年度は優品に貼りつける「京都府産 賀茂なすシール」を作成し、平成29年に実証試験を実施する。
  →30年度数値目標=50d(ブランド販売数量)

○京山科なす

 3か年運動においては、契約遵守と拡大を図るとともに、新規生産者の確保とブランド産地の増加、低コストな輸送方法の確立による生産者所得の確保を目指す。
 平成28年度は出荷期間中、漬物組合との意見調整を実施したほか、平成29年度の取り組みに向け、規格等にかかる実需者へのニーズの聞き取りを行った。
 →30年度数値目標=15d(ブランド販売数量)、5産地(ブランド産地数)

○コギク

 3か年運動においては、複合経営の一環として新たにコギクを栽培する生産者の確保に取り組むほか、商品価値向上のための技術指導・品種選定、彼岸向けの出荷を視野に入れた作期の拡大に取り組む。
 平成28年度は、彼岸までの出荷を可能とするよう品種の選定を実施したほか、彼岸まで出荷することで価格の安定化に取り組んだ。
 →30年度数値目標=250万本(販売数量)、9f(作付面積)

平成29年度府統一推進品目の推進目標

(単位:t・千本、千円、%)

品 目 平成29年度目標 平成28年度実績 実績対比
販売数量 販売金額 販売数量 販売金額 販売数量 販売金額
京みず菜 858 470,983 615 336,235 140% 140%
伏見とうがらし 170 153,000 163 141,757 104% 108%
九条ねぎ 1,400 742,000 1,415 637,656 99% 116%
紫ずきん・京 夏ずきん 240 225,600 209 190,990 115% 118%
えびいも 110 70,000 100 56,734 110% 123%
賀茂なす 200 105,000 190 83,450 105% 126%
京山科なす 24 7,200 16 5,498 150% 131%
聖護院だいこん 160 16,000 86 10,593 186% 151%
小計(野菜) 3,162 1,789,783 2,794 1,462,913 113% 122%
コギク 2,250 62,500 1,945 68,106 116% 92%
総 計 - 1,852,283 - 1,531,019 - 121%
 
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